財産があってもなくても、遺言書があれば、遺品を整理する人たちは助かりますし、相続人にとっても、いらぬ争いをさせなくてすみます。 遺言書がなかったばっかりに、遺族のあいだに勃発したトラブルの数知れず、最後まで認知症の知人の世話をして看取ったのに、遺言書がなかったばっかりに、名前だけの相続人に財産を持っていかれたという事例だってあります。 とくに事実婚カップルの一方が遺言書なしで亡くなったときの、残されたつれあいの悲哀などを考えると、遺言書は必要でしょう。 このように婚姻届を出していなかったり、なんらかの事情で出せないカップルの場合、どんなに長く暮らしていようとも、相続権は一切ありません。死亡退職金、遺族年金などの受給では、事実婚の状態にある人は、婚姻届が提出されていなくても権利を認められていることもありますが、相続では、そういう権利はありません。 また、子どものいない夫婦、障害のある子どものいる夫婦、子どもたちの仲が悪い夫婦、先妻と後妻の療法に子どものいる人、息子の嫁などに介護の世話になっている人、事業や農業をしている人、特定のだれかに財産を残したり、世の中のために役立てて欲しいと思っている人は、相続のトラブルをなくすためにも、遺言書を書いておくべきでしょう。 たとえば、子どものいない夫婦の夫が亡くなったときの相続人は、妻と夫の兄弟姉妹で、妻が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。 もし、財産が家しかなかった場合、夫の兄弟姉妹が遺産分割を要求してきた場合、家を売って精算するしかありません。そうなると、妻は家を出て行かざるを得ないでしょう。 そんなことを起こらないようにするためには、「全財産を妻に相続させる」という遺言書を夫が書いておけばいいのです。そうすれば、夫の兄弟姉妹には遺留分がないので、財産はすべて妻のところにいくことになり、家にはそのまま住み続けることができます。 ですが、夫に前妻の子どもがいるような場合には、たとえ遺言書があったとしても、前妻の子が持っている4分の1の遺留分は持っていかれます。 遺言書だけでは、全部の財産を引き継ぐことができないこともありますが、それでも遺言書があることで、多くのトラブルは回避できるはずです。 ただし、いくら遺言書といっても、相手の負担になるような遺贈は考えものです。 もらった相手が管理に困る不動産もあるし、高価なコレクションだって、もらったほうが困ることもあるでしょう。 遺贈には税金がかかることもあるので、相手のことも考えて遺贈を決めることが大切です。 |
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