同居期間25年以上の熟年夫婦の離婚は、ここ10年で2倍以上に増えており、同居期間30年以上に限ってみると3倍近くになり、しかも、そのほとんどが妻からの申し立てによるものだそうです。 退職後、やっと妻と2人で旅行をしたり、スポーツをしたりと、夢に描いていたのに、突然、妻から「離婚したい」といわれたら、ぞっとしませんか。 特に、団塊の世代は会社一筋で働いてきた人が多く、ある日突然妻から離婚を言い渡されるというパターンが多いようです。本人は、家族のために必死で働いてきたつもりでも、妻は家庭を顧みない夫に嫌気がさしたのです。 離婚の90%は、協議離婚ですが、これは、両者の間で話し合い、離婚届を出せば成立するもので、費用は特にかかりません。 ここで大事なのは、離婚の成立よりも、養育費、財産分与、慰謝料、親権者・監護者、面接交渉、婚姻費用の問題は離婚の成立そのものとは関係ありませんが、離婚に際し取り決めをしておくことが必要です。 協議によって離婚が成立した場合、当事者間で話し合って取り決めたことは、離婚協議書などの合意文書として書面にして残しておきましょう。個人の合意文書だけでは法的な強制執行力はないので、合意内容を強制執行認諾文付きの公正証書にしておくのです。このための費用は5000円〜4万円程度です。 もし協議しても話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所で離婚調停をすることもできます。その場合の費用は、離婚調停の申立書に貼る因子900円と切手代約800円、一緒に提出する戸籍謄本などの手間にかかる数百円程度です。 弁護士に任せればそれなりの費用がかかりますが、離婚調停自体はさほど難しくなく自分で行える手続きなので弁護士には最初に相談するだけで済ませることもできます。相談のみであれば、30分5000円程度が相場になっています。 熟年離婚の場合、裁判沙汰になったときの費用よりも、別れた後の生活にかかるお金を心配したほうが良いでしょう。 年金分割制度のおかげで、専業主婦の妻も、離婚後に夫の年金を分割して受け取ることができるようになりましたが、それだけで十分な暮らしができるわけではありません。 離婚後の住まいはどうするのか、年金で不足する生活費をどう補うかといった問題をクリアする必要があります。 勢いで別れたのはいいけれど、お金に困りながらの寂しい老後では、やりきれません。 どんな場所で最期を過ごすのか、自宅か老人ホームかなど、離婚後の生活をできるだけ具体的にイメージし、お金を準備しておく必要があります。 |
おすすめサイト
・ お金の貯め方・使い方・増やし方と税金対策
・ うつ病の診断・原因・症状・治療と接し方